植物療法について
植物は、動物のように動けないからこそ、外敵や菌、紫外線などから身を守るための多様な化学成分を自ら作ることで、独自の進化を遂げてきました。植物療法は、こうした植物が持つ生理活性成分を活用し、体に備わった自然治癒力に働きかけ、日々の心身の健康や病気の予防、回復期などに役立てる伝承療法です。
フランスでは、人々の暮らしの近くに植物療法があり、自分や家族の毎日のケアのために、信頼できるハーブ薬局へ行って体調の相談をするそうです。日本ではあまり馴染みがない植物療法ですが、四季があり、自然環境も豊かな日本では、古くから植物を使った養生の知恵が受け継がれてきました。普段何気なく取り入れているものの中に、日本ならではの植物療法が実はたくさんあるのです。
植物療法は決して病気を治療するものではありませんが、自分の心身の健康を自分で守りたいと願う人たちにとって、現代においても大切な選択肢の一つであり、健やかな暮らしの支えとなっています。